メンヘラチャン

【インタビュー】メンヘラチャンの作者 江崎びす子

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Twitterで8万人以上のフォロワーを誇る江崎びす子さん(以下 びす子さん)。びす子さんが描くイラストには、いまの若者の心の奥をくすぐるようユーモアさと可愛さが詰まっています。そんなイラストの中で特に人気を博しているのが「メンヘラチャン」。

江崎びす子

一番左:サブカルチャン,中央:ゆめカワちゃん,うさぎ:うさたん,一番右:メンヘラチャン

病みかわいいをテーマに、リストカットをする事で正義のヒロインに変身するといった設定のメンヘラチャン達。かわいい外見を裏腹に、毒を吐く姿がどこかかわいい!

メンヘラチャンをはじめとした、かわいいだけじゃないびす子さんのイラストが、世の中に対してモヤモヤしている多くの若者を虜にしている。そんな大注目なイラストレーターの江崎びす子さんにインタビュー。

江崎びす子
江崎びす子
平成1995年生まれのイラストレーター。
スッとした外見であるが、自分がゲイであることを公言している。かわいさの中にブラックユーモアがあるイラストが人気。原宿系のアパレルブランドとコラボするなど活動の場を広げている。

「やっぱり絵を描く道具が無いと生きていけない。」

-どんな子ども時代でしたか?

幼稚園から小学校低学年の時はお坊ちゃん期でした。
世田谷の高級住宅地に住んでいて、しつけが凄く厳しい家庭でしたね…。
全身アルマーニ着せられて、テーブルマナーを叩き込まれたり、バイオリンを無理やり習わされたり、両親の事も「お父様、お母様」と呼んでいました。

とにかく幼少期は自由が無くて辛かった記憶しか無いですね
その現実逃避に始めたのがお絵描きでした。
絵を描いているときは辛いこと全て忘れられたんですよね。

小学校3年から中学校時代は、両親が離婚し母子家庭になって
いきなり貧乏になり、千葉の実家に移り住んで
おばあちゃんから居候扱いや虐待を毎日されて、肩身の狭い毎日を送っていました。
一緒に住んでいた従妹はたくさんぬいぐるみや服やお菓子を買い与えてもらっているのに、居候の私はごはんを与えてもらえるのがやっとで、ただ指をくわえてみているしかなかったです。

さらに学校含め街全体の治安も悪くて。不良ばっかりで、
イジメも当然あって、凄いのが担任の教師までもがターゲットにされていたこともありました。
それが原因で1年に担任が4回(一季ごと)に代わるとかザラでした(笑)
私も案の定標的にされて、絵を描いて自分の世界に逃げ込みながら何とか自我を保っていました。
そんな毎日を耐えるのに精一杯で勉強も頭に入らなくて成績もどんどん落ちて…
結局、高校は定時制に進学しました。
それからはバイトしたり恋愛したり、学校以外のライフ・ワークが増えたおかげで少しマシになりましたね。

といった感じで、とにかく子供時代の思い出は辛い記憶しかない…(笑)ごめんなさい。
まだまだあるんだけど、永遠不幸話をしてしまいそうなのでこの辺で。
あ、でもそんな生活の中でも数少ない友達が出来たことは救いでした。

今は家でずっと好きな絵を描いて過ごしているし、それが仕事に結びついているのでとても幸せです。

-学生時代(中学、高校時代)に夢中になっていたことはありますか?
中学2年の時、いわゆる中二病の時に初音ミクの誕生が被っていたり
家庭教師ヒットマン・リボーンの人気全盛期だったりしたので
それらに私も一緒になってハマってました。
中学高校だけに絞るとやっぱりオタク・カルチャーに夢中になっていた記憶ばかりです。

あとはやはり私がゲイになったキッカケとも言えるボーイズラブですかね。
高校からは同人活動を始めて、同人誌を作ってコミケにも出ていました。

ただ誰とも共有できないまま、小さい頃から現在も続いているのは「パワーパフガールズ」でしょうか
。幼稚園から今まで熱が冷めた事がありません。
最近はグッズの希少価値が高く手に入らないのでアメリカのオークションで競り落としたりしてコレクションを増やしています。

ぬいぐるみ

あとは、広告系キャラクターにも夢中になりました。
これも共有できる相手がいなくて辛かったんですが、
So-netやPostpetのキャラクターで知られる「モモ」や
英会話教室NOVAの「NOVAうさぎ」
たまごクラブひよこクラブの絵やモリゾーとキッコロで有名な「アランジ・アロンゾ」等には物凄く夢中になってました。

私の夢が「広告系キャラクターをデザインする」または「自分のキャラクターが広告に起用される」事なので
広告系キャラクターは徹底的にリサーチしたりしています。

今推しているのは「ざっくぅ」ですね。

-ゲイになったキッカケがボーイズラブだったということですが、ゲイに目覚めたキッカケを詳しく教えてください。
その中学の時に仲良くなった女の子の事を好きになって、それが初恋だったのですが、相手がレズビアンだったのでいきなり失恋しちゃったんです。

ゲイに目覚めたきっかけは高校の時にやっていたmixiですね。
ずっと「腐男子」ではあったので
腐男子のコミュニティに入っていたのですが
タチの悪い「腐男子を狙うゲイ」というのが存在して…(笑)
その人とオフ会をした時に個室でAVが観れるお店に連れて行かれ、その中で手を出されたのがキッカケです(生々しくてすみません)

でも結局遊ばれただけで、そのショックから真剣に彼氏を作ろうと思って、初めて付き合った男性と1年続きました。
相手は山本太郎さんとエミネムを足して二で割った感じの顔で、在学中は面識が無かったんだけど同じ中学の先輩でした。

結局趣味の絵に時間を費やしたいって理由で私からバイバイしたんですが、それがクリスマス前日だったので彼には本当に悪いことをしたなと思います…(笑)

ちなみに男性と関係を持ってからすぐ親にはカミングアウトしました。
たぶんその時はショックだったと思うけど、否定することなく「そうなんだ(笑) 病気にだけは気を付けなさいね」って感じで受け入れてくれました。
でもやっぱり親は孫の顔が見たいみたいです。

-恋愛したらどうなりますか?
恋愛対象の男性の前ではあからさま女になりますよ(そういう話では無い…?笑)

昔は恋愛に生活を左右されていたのですが、
最近はとにかく仕事とかが最優先なので、そこまで情熱的にはのめり込めません。
しかも最近では漫画や話のネタ収集の為に身体を張って、わざわざ恋愛しに行ったりしてるから「ネタ集めの手段」になりつつありますね…。
こんな事言ったらもう彼氏できないかなぁ(笑)

-人生において、これがないと生きていけないというものはなんですか?

やっぱり絵を描く道具が無いと生きていけないです。

私には生き甲斐も取り柄もそれしかないので…

。

あとは抽象的ですが「カワイイ」は大切ですね。
小さい頃からとにかくカワイイものが好きで、カワイイものに触れてきたからこそ今の自分が居るわけだから。やっぱり無いと生きていけないものの一つだと思います。

「そのインパクトに圧倒されて考え付いたのが”メンヘラチャン”というキャラクターなんです。」

-メンヘラチャン書く前は、どんなイラストを描いていましたか?
メンヘラチャンを描く前は同人活動をしていたのでBL(ボーイズラブ)を描いてました。
今もたまに息抜きに男の子キャラとか描いてますが、あんな感じです。

ゆめかわ男子2
でも今よりとんでもなく下手でしたよ(笑)

-イラストのインスピレーションはどこからきていると思いますか?
子供の頃から観てきたアニメや漫画からが多いとは思いますが
メンヘラチャンの場合はtumblerですね。

メンヘラチャンtumbler

tumblerっていうのは画像中心のSNSで、オシャレな画像とかを投稿したりリブログしたりして自分だけのオシャレアルバムを作れるツールなんですが、そのはじめて見たtumblerが強く影響してます。

どんな感じかというと、説明が難しいんですが、
そこにはセーラームーンの様な昔のアニメのgifとかサンリオの様なカワイイ・キャラクターの画像とかスイーツの画像とか、「カワイイ」画像と一緒に血まみれの浴槽やこめかみに銃口を突き付けてる女の子の写真や血の涙を流したヴィーナス像の画像等「病んでる」画像が載っていた訳です。

そのインパクトに圧倒されて考え付いたのが「メンヘラチャン」というキャラクターなんです。

それからちょっとして、「プリ画像」という画像コミュニティ内で「ゆめかわいい」というタグが誕生して、その影響からTwitter等でも「ゆめかわいい」という言葉が出回り始めたのですが

私が好きなのは純粋無垢なカワイイだけの「ゆめかわいい」じゃなくて、
あのtumblerで見た「病んでる」要素を含んだものだったので
そこから自分は「ゆめかわいい」と区別する為に「病みかわいい」という言葉を使うようになりました。

-メンヘラチャンの作者であるびす子さん。びす子さんはメンヘラですか?
この質問100回は聞いてると思います(笑)

メンヘラの定義を甘くすればメンヘラだし、厳しくすればメンヘラでは無いです。

逆にインタビューなさる側やこれを読んでいる皆さんはこの質問をされた時どう答えるのか気になりますね。

「メンヘラ」ってどこからがメンヘラなんでしょう。
元々の意味は精神疾患を患った方々を指すネット・スラングだったそうですが
現状はもう明らかに違いますよね。
*ネット・スラング:インターネットで使われる隠語、俗語

少なくとも私がメンヘラチャンを描き始めた頃には、既に彼氏がLINEを既読無視した事に腹を立てるだけで「メンヘラ女」と言ったりするくらい軽はずみに使われている言葉になっていましたよ。
仮にこれが「精神疾患を抱えている」方のことだったら絶対にみんな軽々しく口にしないハズです。

「メンヘラ」という略称だから広まって、多用されることによって定義もどんどん甘くなっていったんだと思います。

私が言う「メンヘラの定義を甘くすればメンヘラだし、厳しくすればメンヘラでは無いです。」というのはつまり

メンヘラという言葉を今の世間一般風にとらえるならメンヘラ。
誰でも気軽に自称できますからね。

そして「精神疾患を抱えている」という意味で捉えればメンヘラではない。という事です。

-メンヘラチャン以外にも人気なキャラクターの作者であるびす子さん。メンヘラチャン、サブカルチャン、ゆめカワチャンの三人のうち、一緒に暮らすとしたら誰がいいですか?

メンヘラチャン

一番左:ゆめカワちゃん,うさぎ:うさたん,中央:メンヘラチャン,一番右:サブカルチャン

うさたんがいいんだけど…(笑)
その3人の中で言うとメンヘラチャンでしょうか。

自分と性格がとても似ているので。

サブカルチャンは真面目で皮肉屋なので、だらしがない私といたら永遠イヤミを言われそうです。
ゆめカワチャンは友達には欲しいと思うけど、一緒に暮らすとなると疲れそうですね、鬱陶しいし(笑)

でもやっぱり出来たらうさたんですね。皆もそうだと思うけど
我ながら可愛いキャラを生みだせたと思います。

-女子のちょっと笑える日常を描いたイラスト「女子あるあるシリーズ」の作者でもあるびす子さん。イラストのネタ収集はどうやって行っていますか?

彼氏の不満1「女子あるある」のイラスト

私の実体験と私の友人ですね。

実体験は、そもそも私が男性とお付き合いする時は相手に「男性だけど女性として扱う事」を求めるので
立場が女性と変わらなくなるんです、そのおかげで女子と同じ不満や共通点が生まれやすいので、あるあるネタがそこから出来たりします。

友達とはお茶したりご飯を食べに行ったりした時に聞いた話で使えるところをスマホにメモらせていただいてます(笑)

-新しいキャラクターを作るご予定はありますか?
たくさんあります。出来たらメンヘラチャンや女子あるあると並行したいところですが…。
今、本当に動かしたいキャラクターや、やりたいことがたくさんありすぎます。
でもネタに詰まるよりはその方がいいですよね。

最後に…

-今後チャレンジしたいことはありますか?
たくさんあります!とにかくいろんな事をマルチにやっていきたいですね。
出版、メディアへの露出、企業とのタイアップ等
今もいくつかお話をいただいていますが、何にでも挑戦していきたいです。

よろしくお願いいたします(笑)

インタビューありがとうございました!深い話から面白い話。今後も応援しています!!
もっと江崎びす子さんを知りたい方は

江崎びす子Twitter:@5623V
メンヘラチャンTwitter:@5623V2
女子あるあるTwitter:@manapis_5623
お仕事の依頼:info@pinkco.net
江崎びす子Profile:http://twpf.jp/5623V
HP:atelierM.U

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